
ホームページ公開後にやることが多すぎる?本当に必須なのは「取り返しがつかないこと」だけ
はじめに
「ホームページが公開できたら、次は何をすればいいですか?」
公開が近づいてきたころ、お客さまとの打ち合わせで決まって話題になる質問です。そして「ホームページ 公開後 やること」と検索してみると、10個以上の項目が並ぶ記事がいくつも出てきます。アクセス解析、SEO、ブログ、SNS、広告、MEO。全部やるのが正解だと言われたら、大半の中小企業では手が止まってしまうはずです。
私は静岡県富士市でWeb制作とシステム開発をしています。この記事では、制作者として実際にお客さまへ伝えている内容をもとに、「本当に必須のこと」と「あなたの状況次第でいいこと」を分けて整理します。線引きの基準はひとつだけ。後から取り返しがつくかどうか、です。
この記事のまとめ
- 公開後に本当に必須なのは「後から取り返しがつかないこと」だけ。計測の開始・バックアップと保守・実態とのズレを直せる体制の3つ
- アクセスデータは設定した日からしか貯まらない。GoogleサーチコンソールとGA4の設定だけは公開直後に済ませる
- 「更新」とはブログを書き続けることではない。会社の実態とサイトのズレを直すことのほうが先
- ブログ・SNS・広告は後からいつでも始められる。全部やる必要はなく、状況次第で切り捨てていい
- 何年放置していても手遅れではない。気づいたとき、思い立ったときが始めどき
なぜ「公開後にやることリスト」はあんなに長いのか?
万人向けに書くと、足し算しかできなくなるからです。
やることリストの記事は、業種も規模も目的も違う読者の誰にも外れがないように書かれています。飲食店に効く施策と、製造業のBtoBサイトに効く施策は本来まったく違うのに、1本の記事で両方をカバーしようとすれば項目は増える一方です。さらに書き手が制作会社や広告会社であれば、自社が売りたいサービスも自然とリストに混ざります。
つまりあのリストは「全員がやるべきことの一覧」ではなく、「誰かにとってはやる価値があることの総目録」です。総目録を前に途方に暮れる必要はありません。必要なのは、あなたの会社にとっての優先順位です。
そのために、まず誰にでも共通する部分だけを切り出します。
本当に必須なのは「後から取り返しがつかないこと」だけ
公開直後にやるべきことを、私は3つに絞って伝えています。共通するのは、後回しにした期間を後から埋められないという性質です。ブログもSNSも広告も、思い立った日から始められます。しかし次の3つは、始めなかった期間が空白のまま残ります。
1. 計測を始めておく(サーチコンソールとGA4)
アクセスデータは、設定した日からしか貯まりません。
Googleサーチコンソール(検索エンジンからの見え方を確認できる無料ツール)とGA4(Googleアナリティクス。サイト内の行動を計測する無料ツール)は、過去にさかのぼって計測することができません。半年後に「そろそろ集客を考えたい」と思い立ったとき、手元に半年分のデータがあるかゼロかで、打てる手の精度がまるで違います。
設定作業そのものは難しくなく、制作会社に頼めば納品時にまとめて済ませられる程度のものです。「分析はまだしないから要らない」ではなく、「分析する日のために貯めておく」。これが計測を最優先に置く理由です。貯まったデータをどう活かすかは、ホームページを作ったのに問い合わせが来ない?原因は「作り方」ではないかもしれないで書いています。
2. 安全を保っておく(バックアップと保守)
サイトのデータは、失ってからでは戻せません。
WordPressで作ったサイトなら、本体・プラグインの更新とバックアップの体制は公開時点で決めておく必要があります。私が交流会などで拝見する「作って終わり」になったサイトには、共通した症状があります。PHP(サイトを動かすプログラム言語)やプラグインが何年も前のバージョンのまま。画像が消えて表示されないまま。表示崩れが放置されたまま。どれも、壊れた瞬間よりも「壊れたことに誰も気づかない期間」が被害を大きくしています。
何をどこまで自分でできて、どこからプロに任せるべきかは、WordPressの保守は本当に必要?保守費用を断られた制作者が正直に線引きしますで詳しく整理しました。公開直後のいま決めておくべきことは、「誰が面倒を見るのか」の一点です。
3. 「実態とのズレ」を直せる状態にしておく
会社は変わり続けるのに、サイトだけが公開日のまま止まる。放置の正体はこれです。
新しい取引が始まる。サービスの内容が変わる。よく聞かれる質問が変わる。会社の実態は、公開の翌日から変わり始めます。ズレたときにすぐ直せる体制、つまり自分で編集できる箇所を把握しておくこと、修正を頼める相手を決めておくことを、「まだズレていないうち」に確認しておいてください。ズレを数年放置したサイトが訪問者からどう見えるかは、そのホームページまだ大丈夫?「賞味期限」を見極めるチェックリストに書いたとおりです。
IRREVERSIBLE OR NOT?
公開後にやること、必須かどうかの線引き
後から取り返しがつかないこと=公開直後に
- 計測の開始(サーチコンソール・GA4)。データは設定した日からしか貯まらない
- バックアップと保守の体制。失ってからでは戻せない
- 実態とのズレを直せる状態。ズレは放置した分だけ信頼を削る
線引き
後回しにした期間を、後から埋められるか
後からいつでも始められること=状況次第で
- ブログ・コラムの定期投稿
- SNS運用
- Web広告
- MEO(Googleマップ対策)の強化
「全部やる」より「取り返しがつかないことから」
PEAS PROJECT
「更新」とはブログを書き続けることではない
3つ目の「ズレを直す」について、誤解を解いておきたいことがあります。更新イコールブログ、ではありません。
「更新が大事」と聞くと、多くの方がブログやお知らせの定期投稿を思い浮かべます。実際、ブログ機能を付けたお客さまには「一次情報を盛り込んだ投稿を続けてください」とお伝えすることがあります。ただ、それより先にやってほしい「更新」があります。実態とサイトのズレを直すことです。
私自身のサイトでやっているのは、まさにこちらです。よくいただく質問が変わればFAQに追加する。事業の力点が変わればトップのキャッチフレーズを書き換える。自分の状況や主張したいことが変わったら、できるだけ早くサイトに反映する。ブログはというと、正直に言えばたまにサボりながら続けています。それでも「サイトに書いてあることと実態が違う」状態だけは作らないようにしています。
会ったことのない相手があなたのサイトを読むとき、そこに書かれていることがすべてです。古い情報は、無いよりも悪い印象を残すことがあります。数年前の「ホームページをリニューアルしました」が最新のお知らせとして残っているサイトを、あなたも見たことがあるはずです。
残りは「あなたの状況次第」でいい
ブログ、SNS、Web広告、MEO。ここから先に、全員共通の正解はありません。
お客さまに聞かれたとき、私は「注力すべきことと、切り捨てていいことは、会社ごとに必ず違います」と答えています。判断の軸は3つです。
- 目的:問い合わせを増やしたいのか、採用に効かせたいのか、既存の取引先への信用を保ちたいのか
- お客さまがどこにいるか:検索して比較する相手なのか、紹介と対面で決める相手なのか
- 続けられるか:担当者の時間は現実に確保できるのか
たとえば紹介経由の受注が中心のBtoB企業なら、SNSの毎日投稿より、名刺やあいさつ回りでサイトを案内できる状態を整えるほうが先です。私の場合も、交流会で「サイト、見ました」と声をかけていただくことがあり、感想まで添えてくださる方も少なくありません。検索だけがサイトの入口ではないのです。
逆に、続ける見込みのない施策を「やるべきだと言われたから」と始めるのはおすすめしません。更新が止まったブログやSNSは、止まった日付ごと訪問者に見えます。続けられないものは、最初からやらないほうがきれいです。
放置してしまった後からでも、遅くない
ここまで読んで「もう何年も放置してしまった」と感じた方へ。手遅れではありません。
以前、Googleビジネスプロフィール(Googleマップなどに表示される事業者情報)に厳しいレビューが付いたまま放置されていたお客さまがいました。ご本人は「今更手を付けても」とあまり乗り気ではありませんでした。それでも、レビューへ真摯に、かつ事情を知らない読み手にも状況が正確に伝わるように返信していったところ、結果は良い方向に動きました。
放置してきたものに目を向けるのは、誰にとっても気が重い作業です。だからこそ「気づいたとき、思い立ったときが始めどき」だと考えています。計測も同じです。設定しなかった半年を悔やむより、今日設定すれば半年後には半年分のデータが手元にあります。
まとめ:全部やるより、取り返しがつかないことから
この記事の線引きを整理します。
- 公開直後に必須なのは3つだけ。計測の開始(サーチコンソール・GA4)、バックアップと保守の体制、実態とのズレを直せる状態
- 3つに共通するのは「後回しにした期間を後から埋められない」こと。逆にブログ・SNS・広告はいつでも始められる
- 「更新」とはブログのノルマではなく、実態とサイトのズレを直すこと
- 残りの施策は、目的・お客さまの居場所・続けられるかで取捨選択する。全部やる必要はない
- 何年放置していても、思い立った日が始めどき
Peas Projectでは、公開後・納品後のサイトについて「うちの場合、何に注力して何を切り捨てるべきか」というご相談を受けています。富士市近隣の企業さまはもちろん、オンラインでも対応可能です。リストの項目を全部こなそうとする前に、一度優先順位から一緒に整理しましょう。